天体望遠鏡にレデューサーで自動導入をサポート

天体望遠鏡にレデューサーで自動導入をサポート

電子観望で天体を導入しやすくするためにレデューサーを使った記事です。

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電子観望で天体望遠鏡が長焦点だと不利!

電子観望で目標天体を導入するときPC画面上で天体が入っているのか確認します。明るい天体はファインダーで目標を捉えて導入することができます。しかしDSO(銀河、星雲、星団)は暗すぎてファインダーでの導入は困難です。

CMOSカメラが写した画像が頼りになります。そのときPC画面にできるだけ大きい範囲が写っていれば見つけるのが容易です。

長焦点は拡大してくれますが写る範囲は狭くなります。狭い範囲に導入するには高い導入精度が必要です。

自動導入機Azgteのアライメント←導入問題はこちらの記事を参考にしてください。

天体望遠鏡の長い焦点距離が初心者にはハードル

電子観望には様々なハードルがありますが導入のハードルもそのひとつです。かなりのハードルであることは確かだと思います。

導入がうまくいかなくて時間だけが経過していく悲しさ‥

焦点距離が長いと対象を大きくしてくれるメリットがあります。しかしデメリットとして見える範囲が限られることがあります。

大きくなって見えているのですから当然範囲は狭くなります。見える範囲が狭いと対象を探すのが困難になります。これがけっこうキツイです。

長い焦点距離は小さな天体を大きく見せてくれます。しかし見える範囲が狭いので、目標を捉えるのが大変です!

望遠鏡とCMOSカメラってどうなん?ceres-c・uranus-c←焦点距離とセンサーについてはこちらの記事を参考にしてください。

望遠鏡で広い画角を確保する方法

電子観望において広い画角を確保する方法として

  1. 短い焦点距離の望遠鏡にする。
  2. CMOSカメラのセンサーを大きなものにする
  3. レデューサーを使って焦点距離を短くする

以上の3種の方法があります。望遠鏡とCMOSカメラがすでに決まっている場合は3の方法になります。

小口径の望遠鏡で短焦点にするのは解決策として一般的ですが小さなDSO(銀河、星雲、星団)は存在の確認だけに終わってしまいます。どんなかたちなのか知りたい欲求を満たすためには大口径が必要なのです。

初心者向けの電子観望セットをみると小口径短焦点の望遠鏡になっています。これは導入問題を解決するシンプルな方法です。

レデューサーは焦点距離を短くする補正レンズです

接眼レンズ(アイピース)またはCMOSカメラの前に接続して望遠鏡の焦点距離を光学的に短くしてくれるアイテムです。

レデューサーによって0.5×とか0.75×と表示してあり通常の焦点距離を×分に短くしてくれます。

1000ミリの焦点距離に0.5×をつければ500ミリになりますよという、うたい文句です。焦点距離が短くなると広い範囲を捉えることができます。

レデューサーは望遠鏡やカメラとの組み合わせがあるので注意しましょう!

汎用レデュサーについては金額は安いのですが現実にはそのとおりにはいかないこともあります。条件によって性能が発揮できないことが多いです。使えないこともあります。

反射望遠鏡13センチ650ミリとceres-cに使用

この記事で使用する望遠鏡はスカイウォッチャー製のAzgteP130nです。

ニュートン式反射望遠鏡口径130ミリ焦点距離650ミリ自動導入自動追尾式経緯台
倍率65×倍率26×単三乾電池8本で駆動(電池は別売り)レッドドットファインダー付属

この望遠鏡にPlayerOne製のCMOSカメラceres-cを接続します。ceres-cのセンサーの大きさは1/3インチです。650ミリの焦点距離に1/3インチセンサーの組み合わせはけっこうきついことがあります。

散光星雲や銀河でも大きなものはあまり気になりませんが、暗くて小さい天体は導入に苦労することがあります。いずれにしても画角が大きいことに越したことはありません。導入が快適になります。

レデューサーはなくても導入はできます。多少、導入が楽になる程度の話です。私自身はあまり使っていません。

しかし画角が大きくなると銀河群などを観測するときに群像を楽しむこともできます。

笠井トレーディングGSO 0.5×1.25インチレデューサー

レデューサーは各社で販売されていますが、こんかい使用したのはGSO社製で笠井トレーディングで販売されている商品です。

汎用レデューサーで2枚玉レンズ・アメリカンサイズ(1.25インチ)・0.5×の仕様です。接眼レンズ(アイピース)につけて眼視観測するときはバレルの先端にねじ込んで使用します。

多くのアイピースは先端にM28.5P0.6のネジが切ってあります

0.5×を謳っていますがこの使用では0.75×の縮小率です。25ミリの延長筒をつけて使用すると0.5×の縮小率になります。

こんかいは延長筒がないのでceres-cの先端にねじ込んでの使用です。本体のみ延長筒なしでアマゾン販売価格 3250円税込み

レデューサーの種類【注意】使用できないケースがあります!

汎用レデューサーは使用するCMOSカメラ、接眼レンズのバレル径に合わせてください。標準は31.7ミリ【1.25インチ】ですが2インチもあります。

縮小率は0.5×が大半です(実際には別途延長筒が必要だったりします)。メーカーが望遠鏡に合わせて発売している専用レデュサーは高精度ですが高価です。

汎用レデューサーは安価ですが周辺部にかなりひずみが出ます。

極端に安いレデューサーは中心部くらいしか使用に耐えないこともあります。さらに望遠鏡の種類によって使用できないことがあります。

安いレデューサーのなかには最低の品質があります。周辺の星像が伸びて使用できませんよ。

オリオン星雲M42をレデューサー付きで電子観望した

レデューサーをつけてどの程度の効果があるのか調べてみました。2024年2月13日に冬の代表であるオリオン星雲M42です。露出時間は2.0秒スタック枚数は40枚弱、ゲインは400です。

レデューサーはつけてませんノーマルです。

ceres-cだと画面いっぱいにオリオン星雲が入る形になります。

この画角だと写野回転をした時のトリミングの余裕がありません。

露出2秒でスタックが37枚露出時間は74秒です。総露出時間が短く写野回転がほとんど気になりませんが、それはM42だからです。

もっと暗い天体を電子観望するときはこんな短時間では収まりません。私は基本的に 露出4秒スタック100枚を考えています。対象とする天体の光度と天気、外光を見ながら調整するようにしています。

レデュサーつけてます、少し縮小されているのがわかります。

縮小率は0.75×くらいでしょうか。

ひとまわり大きな範囲を写せているのは間違いありません。

レデューサーで写したオリオン星雲の四隅を見ても星像のゆがみは感じません。センサーが1/3で小さいために周辺部のひずみの影響をうけずにすんでいます。

延長筒をつけて0.5×にすると影響が出るのかもしれませんが、現状の使用方法であれば価値があると思います。焦点距離が短くなりF値も小さくなり弱い光を取り込んでくれるメリットもあります。

そして少しでも画角が大きくなると導入のハードルが下がるのは間違いありません。中心部を含めて像のみだれも感じません。

写野回転した部分をトリミングするには画角が大きいほうが有利です。F値を小さくして露出時間を短くすれば写野回転の影響を小さくできます。

結論:電子観望に有効なアイテムである【限定条件あり】

条件付きの結論ですがAzgteP130nとceres-cには相性が良い組み合わせです。650ミリの焦点距離が多少でも短くなり広い範囲を捉えることができます。

F値が小さくなり暗い天体に有利です。周辺像の崩れもありません。電子観望の導入が楽になり対象の幅もひろがります。

焦点距離が短くなっても分解能が落ちるわけではありません!13センチの性能は維持しています

望遠鏡+レデューサーの注意点【相性を確認すること】

AzgteP130nにつけると画角が広くなり便利にはなります。しかし、これがすべての機材に当てはまるわけではありません。望遠鏡とカメラの双方ともに相性があります。

CMOSカメラのセンサーとレデューサーの距離

センサーとレデューサーの距離が不適切では使用できません。CMOSカメラそれぞれを確認する必要があります。

接眼レンズ(アイピース)も同じです。すべて使えるわけではないようです。対物側のレンズ径も大きさによってケラレが発生します。

レデューサーの周辺像の崩れ

CMOSカメラのセンサーサイズも大きく影響します。ceres-cは1/3インチの小さいセンサーが幸いしてほとんど影響はでませんが大きなセンサーのCMOSカメラでは周辺部が確実にひずみます。

センサーサイズが1/1.2インチのuranus-cになるとかなりの影響が出ます。まず使い物になりません。

望遠鏡の結像位置で使用可能か決まります

望遠鏡の結像位置との関係もあります。短かい望遠鏡では接眼部を中に繰り込んでも結像位置に届きません。

ニュートン反射の結像位置は短めが多いようです。望遠鏡の結像位置は機種によって違います。レデューサーだけでなくCMOSカメラもすべての望遠鏡で使用できるわけではありません。しっかり吟味してから購入してください。

AzgteP130nに使われいるP130N鏡筒とDKP130+AZ-Go2は使用できます。レビューによればマクストフカセグレインMAK127も使用実績があります。

使用する天体望遠鏡とCMOSカメラの相性を調べてからレデューサーを選びましょう


笠井トレーディング GSO 0.5x 1.25インチフォーカルレデューサー 31.7mm径 (国内正規直販品)

uranus-cでは使えません

uranus-cとAzgteP130Nの組み合わせでは使えませんでした。結像位置が前すぎて接眼部の最奥にしても届きません。ピントが合わないのです。

ちなみにドブソニアン30センチには使えました。しかしドブソニアンは本体を数センチ縮めることができるからです。本来の結像位置では使用できません。像に関しては周辺部の崩れが酷くて使い物にはなりませんでした。

やはり望遠鏡をかなり選ぶようです!

このレデュサーは1/3インチのCMOSセンサーを越えると像が崩れてきます。ceres-cにはちょうど良い製品です。

スカイウォッチャー New BKB130+AZ-Go2 自動導入式経緯台 ※自動導入・自動追尾 スマホアダプター付スマートフォンで撮影 :SW1080040037N:双眼鏡と望遠鏡の店 シュミット - 通販 - Yahoo!ショッピング
放物面鏡を採用した本格的なニュートン式反射望遠鏡です。彗星や天の川に散らばる星雲や星団を低倍率で観測するのに最適です。鏡筒にはアリガタプレートが装備されていますので、同規格の他の架台でも使用可能です。
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