SVBONYのCLSフィルターを使用して電子観望をした印象について語っている記事です
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光害地でする天体観測【DOBGOTO12で電子観望】
月齢8.7でしたが昨日に引き続き快晴でした。気温も前日よりも高かったと思いますが寒がりなので室内から電子観望することにしました。望遠鏡は30センチのドブソニアンGOTOを使用しました。
SkyWatcher製で自動導入、自動追尾付きの反射望遠鏡です。口径は30センチで焦点距離は1500ミリあります。昨晩は13センチを使いましたが、あえて口径の大きい望遠鏡を出したのは月齢の関係があります。
自宅は地方都市の住宅地で周囲に街灯はもちろん、ご近所の2階は照明全灯でノーカーテンです。とうぜん外光の影響は少なくありません。住宅地であれば全国どこでもこんなものでしょう。
それでも4等星ぐらいは見ることができます。しかし月がそこそこ明るいので光害カットフィルターをつけて観望することにしました。
SVボニー製のCLSフィルター4000円くらいのお安いフィルターです。これまでも何度か使用した経験があり13センチの反射望遠鏡で使うと画面がかなり暗くなるので30センチの大きい口径で使用することで見やすくしようと考えました。
Azgteのような簡易式の経緯台は導入する天体の捕獲に忍耐が必要です。赤道儀のように確実に画面に捉えているわけではなく画面から外れていることがけっこうあります。そのときは望遠鏡を前後左右に振り回して近くにあるであろう目標天体を探す必要があります。
その時点では露出時間が0.5秒か1.0秒にして画面で探します。この露出時間でははっきりと写ってくれる天体ばかりではありません。とくにNGC天体は暗いものが多いので写っていたとしても画面にぼんやりと滲んでいるような写りでしかないものがあります。
口径が大きくなると集光力も大きくなり暗い天体がはっきり写し出してくれます。実際30センチになると威力は絶大で、これまで目標の現認に関しては絶大な威力を発揮してくれていました。
光害地ではというよりも全国のどこの住宅地でも街灯と室内光を避けるのは難しいと思います。そこでフィルターをつけて観望または撮影になるわけで必要に応じた各種のフィルターが販売されています。
このCLSフィルターは汎用性の高いフィルターで解説には「水銀灯やナトリウム灯の輝線をカットする」とあり多少の効果を期待して購入したものです。
これまでの印象ではカットの効果について、はっきりした確信が持てるものはありませんでした。とにかく画面が暗くなっているのはわかるのですが、それにともなって天体の写りも落ちているようで、全体的に暗くなって、暗い部分の写りも落ちただけといった感じでした。
背景が暗く締まって天体がよりはっきりと浮かびあがってもらえると期待していたのですが、そこまではなかったです。
そして使うにあたって大きな困難であったのがライブスタック前に目標天体を画面で現認する難しさです。もともとが暗い天体を狙うことが多く、光度も10等級より暗いものもあったりしてPC画面に写っていることすら、すぐにはわからないことが多いのです。
普通の状態でもわかりづらいのにフィルターをつければさらに探しづらくなります。そういった訳で購入はしたもののあまり使っていませんでした。
今回は口径が大きくなるので多少暗い天体をフィルター越しにみても大丈夫と踏んで使用しました。
結果は残念でした。見え方が想像していた以上に暗くて使用していく意欲がなくなるような結果になりました。CMOSカメラはuranus-cを使い画角も大きく感度も高いので画面も滑らかなので見やすいはずです。
目標にした天体は前日に電子観望したNGC891です。アンドロメダ座にある人気の高い系外銀河です。画面を見ると想像以上に見づらく前日に13センチceres-cの組み合わせで観望した時のほうがよほど見やすかった印象です。
NGC891は10.8等級でかなり暗くて細長い銀河なのでそれなりに簡単なものではないと思いますが前日に13センチとceres-cの組み合わせではそれほど見つけにくいと感じなかったのですが。そのときよりも若干、見え方が悪くなっているような気がしました。
ライブスタックしても写ってないものはあぶりだされるわけはなく、期待値を下回る結果でした。やはりフィルターをつけるときは露出時間も伸ばすべきなのかもしれません。透過する光のかなりの部分がカットされるので光量が低下するのは仕方ないのでしょう。
ノーマルな仕様と同じ使い勝手を求めるのは間違っているのでしょうね。それにしても口径が大きくなった分、光量不足は補えると思っていたので残念でした。思ってた以上に光はカットされているようです。
経緯台での電子観望では露出時間をそんなに長く設定することはできません。私は基本4秒でライブスタックをかけています。8秒にするとぶれることが多いようでほとんど4秒です。露出時間を伸ばして光量不足を補うのは難しいと思います。
CLSフィルターは汎用的な光カットフィルターでカラーバランスがあまり狂わないという点で使い勝手の良いところもあるのですが、暗い銀河をPC画面から探せないでは使いづらいです。
とくに13センチの反射望遠鏡にceres-cの組み合わせで使用するとした場合、メシエの明るい天体であればまだしもNGCなどは画面から探し出せる自信はないです。住宅地での光害にどのように対策すべきか悩みどころです。
こんかいのような使用方法では求める結果は得られないようです。もっと有効な使用方法があるのかこんごも調べていきたいと思います。もう少しいろんな条件で使用して結果を出したいと思います。
住宅地でも手軽に電子観望していくのがテーマのサイトですので光害の影響をどのように減らしていくのかこんごも検討していきます。
2023年11月22日30センチ1500ミリ、ニュートン反射、uranus-c使用 NGC891系外銀河、露出4.0秒、ゲイン500
月齢10.4でソンブレロ銀河を電子観望【CLSフィルターの効果を検証】
2024年4月19日月齢10.4でCLSフィルターの効果について検証しました。当日は晴天ではありましたが黄砂の影響で月が赤く見える状態で決して電子観望に適した大気の状態ではありません。
さらに撮影時間も同時ではなくゲインやヒストグラムも個別に変更しているので検証と言える内容ではありません。しかし多少の参考にはなると思います。検討材料にしてください。
望遠鏡はニュートン式13センチ焦点距離650ミリ。CMOSカメラはceres-cの組み合わせです。撮影地は郊外の住宅地です。肉眼で条件が良ければ4等星がギリで見えるかなといった環境です。
フィルターなし。21時42分自宅にて電子観望。ゲイン361露出時間4秒スタック枚数100枚。
ゲインは当日が月齢10.4で月明かりの影響で画面が白飛びするため低く設定しました。かなり空が明るくゲインを抑えないとM104の姿を捉えることができませんでした。
M104の右側に丸く斑点のようにノイズが出ています。ヒストグラムの調整でかなり抑えましたがこれだけ残りました。
CLSフィルター使用。22時06分自宅にて電子観望。ゲイン500露出時間4秒スタック枚数86枚。
CLSフィルターを使用した画像です。フィルターのおかげでゲインをあげることができました。あげなければM104が暗くて形状がわかりづらくなります。
それでもフィルターなしのほうがはっきりと形状を見ることができます。しかしフィルターなしでは出ていた斑点状のノイズはかなり薄くなりました。
フィルターを使って電子観望すれば光害や月あかりの影響を排除できるとしても、かなりノウハウが必要なようです。
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