【望遠鏡2機種の眼視観測の比較】夏の散光星雲、球状星団と惑星状星雲

自分の目で天体を見る天体観測の王道、眼視観測で夏の星雲、星団の見え方を個人的な印象として紹介します。使用する機材はニュートン式反射望遠鏡の13センチと30センチでの見え方比較です。電子観望ではありません!アップしている画像は当日にドブソニアン30センチで電子観望したスクリーンショットです。

※このサイトはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を掲載しています。

Player One Ceres-C (ケレスC)プラネタリーカメラ :POA0016:双眼鏡と望遠鏡の店 シュミット - 通販 - Yahoo!ショッピング
PlayerOneCeres-Cは、IMX224センサーを搭載したエントリークラスのガイディングカメラです。USB3.0搭載で画像の高速転送に対応しているため、通常のオートガイドに加えて、電子ファインダーやプラネタリーイメージング用途でも使用可能です。
Player One Uranus-C (ウラヌスC)IMX585搭載カラーUSB3.0 CMOSカメラ :POA0035:双眼鏡と望遠鏡の店 シュミット - 通販 - Yahoo!ショッピング
PlayerOneUranus-Cは、IMX585センサーを搭載したCMOSカメラです。アンプグローを抑制するノンアンプグロー機能を採用しており、電視観望にも最適です。

望遠鏡ではDSO(銀河、星雲、星団)は見えません!の現実

電子観望でDSO(銀河、星雲、星団)をみているとその不思議な姿にいつも驚かされます。しかし望遠鏡で自分の目で見えるものとは大きく違います。

眼視観測で見えるDSO(銀河、星雲、星団)は天体写真や電子観望と大きく違います。

しかし画面越しの姿よりも自分の目で直接見るものに多くの感動をもらえるのも事実です。

今回は電子観望に頼らない天体観測の原点について紹介します。

眼視観測でどの程度見えるのかを2種類の望遠鏡を使って検証する記事です。

比較に使用する機材の紹介と倍率について

メーカー種類口径焦点距離F値倍率
スカイウォッチャーニュートン反射13センチ650ミリF526倍
スカイウォッチャーニュートン反射30センチ1500ミリF543倍

30センチのニュートン式反射望遠鏡は標準付属の60倍ではなく、後日購入した2インチアイピース35ミリを使用して43倍で観測しました。

本当は8センチの双眼鏡も比較に入れるつもりでしたが三脚に取り付けるアリガタを忘れていきました。手持ちで見たところ思っていた以上に良く見えたので、いずれ双眼鏡の見え方についてのコメントも追加します。

夏の散光星雲と球状星団を眼視観測する

夏は天の川とその周辺にメジャーな散光星雲と球状星団が集中しています。電子観望でその姿をはっきりと確認するのもいいですが、いちどは自分の目で見てください。

正直なところ、その姿に感動するとは思えませんがイメージを膨らませることはできると思います。

実際にどの程度に見えるものなのかお伝えできればと思います。

眼視観測は条件によって見え方が激しく変わるので、あくまでも参考程度の紹介だとご理解ください。

DSO(銀河、星雲、星団)を眼視観測ではじめて見ると、見え方自体は大したことないのですが、それなりに感動します。

観測地点の状態【自宅から20Kの山間部】

観測地点は住宅街から離れた山間部で周囲に人工光は見当たりません。天の川はそこそこ見えますがクッキリとではありません。

こぐま座の柄杓ははっきりと確認できます。いまどきで言えばそこそこ良い空のほうではないでしょうか。

こんかいの観測対象は散光星雲、球状星団、惑星状星雲ですべて太陽系が属している天の川銀河の中にある天体です。

当日の天気の状態

2024年8月03日 月齢28 天気の状態 ほぼ快晴、透明度は普通

天の川の散光星雲を観測する

天の川のいちばん明るい部分にある散光星雲4点は天体写真の人気テーマです。

南からM8【干潟星雲】M20【三裂星雲】M17【わし星雲】M16【オメガ星雲】とすぐ近くに並んでいますから自動導入もやりやすい星雲です。

いて座干潟星雲M8【散光星雲6.0等級】

いて座干潟星雲M8倍率こんな見え方でした
ニュートン式反射望遠鏡30センチ43倍星雲の存在は比較的はっきり確認できます。光の光芒がふたつ広がりつながっているのがわかります。ゾウリムシのような形に光っていました。光りかたとしては全体的に弱くて薄いです。星雲の構造まではわかりません。
ニュートン式反射望遠鏡13センチ26倍星雲の存在自体をはっきりと主張している光りかたではありません。光の光芒がふたつありつながっています。やっぱりゾウリムシかな。白くぼんやりした滲みでそらし目をしたほうがはっきりします。

いて座三裂星雲M20【散光星雲8.5等級】

いて座三裂星雲M20倍率こんな見え方でした
ニュートン式反射望遠鏡30センチ43倍光は薄くようやく存在がわかる程度、三裂に別れているかは確認できません。形を確認できる光ではないです。M8に比較すると光りかたが弱い。
ニュートン式反射望遠鏡13センチ26倍そらし目しないとよくわかりません。三裂の確認は無理でした。

いて座オメガ星雲M17【散光星雲6.0等級】

いて座オメガ星雲M17倍率こんな見え方でした
ニュートン式反射望遠鏡30センチ43倍かすかに見えていました。光の薄いシミです。そらし目の効果ではっきりします。オメガには見えませんがお菓子のゼリービーンズのような感じに見えました。
ニュートン式反射望遠鏡13センチ26倍そらし目が必要です。じっと見ているとわからなくなったりして錯覚のような気がします。丸く光っているのではないのはわかりますが形を特定するのは難しい。なにしろ光が弱いぼんやりした存在です。

へび座わし星雲M16【散光星雲6.0等級】

へび座わし星雲M16倍率こんな見え方でした
ニュートン式反射望遠鏡30センチ43倍形はわからないながら、なんとなく光があるような感じがわかる程度。そらし目で少しわかりますがワシの姿は無理です。散開星団が滲んで光っているように感じるかな。
ニュートン式反射望遠鏡13センチ26倍ほとんど見えないような見えるような。4個の散光星雲の中でいちばん見え方が弱いです。なんか散開星団がうすく滲んでいるように感じるが見えるという表現は合わないという印象でした。

夏の球状星団を観測する

夏の夜空は球状星団の宝庫です。ありすぎて困るほどです。どれも似たような球状に星が密集していますがよく見ると微妙に違います。

そのなかでもM13とM22は巨大な球状星団で見ごたえがあります。

ヘラクレス座大球状星団M13【5.8等級】

ヘラクレス座大球状星団M13倍率こんな見え方でした
ニュートン式反射望遠鏡30センチ43倍丸くて中心にいくに従い光か強くなっている。明るさではM22よりも強い感じ。ただし大きさでは少し小ぶりな感じに見えます。周辺部は細かい砂をばらまいたように星が輝いている。天体写真で見る球状星団をイメージすることが可能な見え方です。存在感があり見落とすことはないでしょう。
ニュートン式反射望遠鏡13センチ26倍そらし目しなくてもはっきりわかります。ボール状の星の集合体で周辺にいくとざらついた感じがわかります。

いて座球状星団M22【5.2等級】

いて座球状星団M22倍率こんな見え方でした
ニュートン式反射望遠鏡30センチ43倍M13よりも大きく見えますが中心部の光が弱いと感じます。しかし全体的に星の集合感が伝わってくる感じではM22のほうではないでしょうか。周辺にいくと星のつぶつぶが見えるように感じます。迫力あります。やはり天体写真の球状星団をイメージすることができる天体です。
ニュートン式反射望遠鏡13センチ26倍そらし目しなくても存在感があります。M13よりも暗いかもしれませんが大きいので見ごたえあります。周辺部はザラザラした感じはあります。倍率をあげても楽しめる天体です。

夏の惑星状星雲

爆発した星のガスが広がった惑星状星雲はサイズは小さいのですが輝度があり小さな望遠鏡でもいがいと良く見えるものがあります。

惑星状星雲の代表と言っていい亜鈴状星雲とリング星雲は夏の夜を楽しませてくれます。

こと座リング星雲M57【惑星状星雲8.8等級】

こと座リング星雲M57倍率こんな見え方でした
ニュートン式反射望遠鏡30センチ43倍暗い宇宙にポッカリと小さなたばこの煙が見えます。意外とはっきりした形状を確認することができます。とても小さいのですが光がしっかりしているので見つけやすいです。
ニュートン式反射望遠鏡13センチ26倍ほんとに小さいですがリングはわかります。小さなドーナツです。よくわかる光かたです。判りやすい天体です。特徴的な形が面白いのですがとにかく小さいです。

こぎつね座亜鈴状星雲M27【惑星状星雲7.4等級】

こぎつね座亜鈴状星雲M27倍率こんな見え方でした
ニュートン式反射望遠鏡30センチ43倍亜鈴状に見えました。丸ではなくてアレイです。M57よりもかなり大きいので見ごたえあります。なんとなく星雲の構造も見えるような気がします。色も薄い緑がかった感じがします。判りやすい星雲なので眼視観測でも楽しめます。
ニュートン式反射望遠鏡13センチ26倍形は丸く見えましたさすがにそれ以上はわかりません。存在ははっきりしています。見逃すことはないでしょう、そらし目しなくても見つけることができます。色までは分からなかったです。
久しぶりに眼視観測をした感想

文章で伝えるのは難しいですね。たんなる個人的な感想です。

そして天体観測のなかで眼視観測で伝わってくる感動は無視できないものがあることを再認識しました。

自分の目で直接見て得られる感動は、たとえそれが頼りなくて錯覚にしか感じないような弱い光のシミであったとしても、たまには体験しても無意味ではないと思います。

そして望遠鏡や双眼鏡などの光学を通さずに夜空を見て天の川を見ているだけでもけっこう癒されるものです。

スカイウォッチャー New BKB130+AZ-Go2 自動導入式経緯台 ※自動導入・自動追尾 スマホアダプター付スマートフォンで撮影 :SW1080040037N:双眼鏡と望遠鏡の店 シュミット - 通販 - Yahoo!ショッピング
放物面鏡を採用した本格的なニュートン式反射望遠鏡です。彗星や天の川に散らばる星雲や星団を低倍率で観測するのに最適です。鏡筒にはアリガタプレートが装備されていますので、同規格の他の架台でも使用可能です。
Player One Ceres-C (ケレスC)プラネタリーカメラ :POA0016:双眼鏡と望遠鏡の店 シュミット - 通販 - Yahoo!ショッピング
PlayerOneCeres-Cは、IMX224センサーを搭載したエントリークラスのガイディングカメラです。USB3.0搭載で画像の高速転送に対応しているため、通常のオートガイドに加えて、電子ファインダーやプラネタリーイメージング用途でも使用可能です。
Player One Uranus-C (ウラヌスC)IMX585搭載カラーUSB3.0 CMOSカメラ :POA0035:双眼鏡と望遠鏡の店 シュミット - 通販 - Yahoo!ショッピング
PlayerOneUranus-Cは、IMX585センサーを搭載したCMOSカメラです。アンプグローを抑制するノンアンプグロー機能を採用しており、電視観望にも最適です。
 AZ-GTi 経緯台 三脚付