2025年初心者が天体望遠鏡で土星の環を見る【見つけ方、見え方、機種、予算】解説

天体望遠鏡で土星の環を見る

土星の環】に関するありきたりでありながら、もっとも興味を持たれている疑問【土星の環は見えるのか】について考えました。

  1. 土星の環が見える望遠鏡の紹介
  2. 土星の見つけ方
  3. 土星の観測について
  4. 土星以外の天体について

以上4点について全力で回答しました。

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土星の環が見えるおすすめの天体望遠鏡】当ブログで紹介する望遠鏡は【土星の環】が見えます。その中で当ブログのおすすめ機種はアトラス60です。

  1. 本当に【土星の環】が見える初心者用の望遠鏡リスト
  2. みんな大好き、宇宙のロマン【土星の環】観測の満足度アップ!
  3. 初心者の望遠鏡で【土星の環】が見えるのか?【見えます!】
  4. 宇宙空間に浮かぶ土星!神秘的な姿を体験したい
    1. はじめての天体観測こそ【土星の環】がおすすめ!その理由
  5. 【土星の環】を見る望遠鏡は初心者に優しい屈折式がおススメ!
    1. 屈折式望遠鏡の最大の弱点【色収差】
  6. 土星観測のポイント4点【60ミリ屈折望遠鏡】
  7. 粗悪望遠鏡で見た土星【環が分離しない楕円形の塊】
    1. 粗悪望遠鏡の見え方【安価な望遠鏡】
    2. 微動装置の必要性(日周運動で星が動きます)
  8. アウトドア、車中泊におすすめ【土星の環】を見るならラプトル60 
    1. ラプトル60の説明・23900円税込み【Amazonで月間50本以上販売】
    2. コンパクトの強みラプトル60【天気が良ければすぐ天体観測】
    3. アトラス60の説明・38900円税込み【大人におススメ高倍率でゆっくり土星の観測】
    4. 高倍率と微動装置で本格的な天体観測アトラス60
  9. ラプトルとアトラスの覗き穴ファインダーについて
  10. アメリカンサイズ(31.7ミリ)対応の接眼部になっています
  11. スコープテックという日本製【国内製造】にこだわったメーカー
    1. ラプトル60のアマゾンレビューを読んでみる
    2. アトラス60のアマゾンレビューを読んでみる
  12. 本格的な天体写真用の望遠鏡ではありません
  13. ライバル望遠鏡では満足できない!
    1. 池田レンズ工業 レグルス60・16700円税込み
    2. 池田レンズ工業 リゲルハイ60・33299円税込み
    3. ビクセン スペースアイ700【口径70ミリ】・21780円税込み
  14. ラプトル60で土星を見る!最低倍率にして捉える
    1. ピントを合わせて【土星の環】を見る!
  15. カッシーニの空隙を見る【望遠鏡の性能を確認できます】
  16. 土星の本体にある縞模様について
  17. 土星を見つける【星座アプリをダウンロード】
    1. 2025年・土星観測の季節【位置が少しづつ変わります】
    2. 土星の観測シーズン 2025年は夏から秋
      1. 土星の出没時間 2024年9月~2024年2月【観測地東京都】
    3. 土星観測のシーズンは12月まで
  18. 【土星の環】が見えなくなる!【15年に一度、土星の環が消失】
  19. 土星だけでは満足できないラプトル60・アトラス60の可能性
    1. 月のクレーターを見る【天体観測のスタート】
    2. 木星をラプトル60で観測する【表面の縞が見えます】
    3. 火星は2年に一回の接近した時に観測しましょう。2025年接近
    4. 金星を観測できるのは日没後か日の出前です。
    5. DSO(銀河、星雲、星団)の観測はできなくはない
  20. 【まとめ】望遠鏡の性能と眼視能力について

本当に【土星の環】が見える初心者用の望遠鏡リスト

自分の目でしっかり【土星の環】が見える眼視観測用の望遠鏡リストです!

※望遠鏡の重要ポイントである架台がしっかりした機種を選んでいます。

電子観望は望遠鏡とパソコンで見る天体観測です

眼視観測向けスコープテックラプトル50屈折望遠鏡13900円
眼視観測向けスコープテックラプトル60屈折望遠鏡23900円
眼視観測おススメスコープテックアトラス60屈折望遠鏡微動付き38900円
眼視観測向けスコープテックアトラス80屈折望遠鏡微動付き66800円
眼視観測向けビクセンポルタIIA80Mf屈折望遠鏡微動付き50909円
電子観望も可能SkyWatcherP130VIRTUOSO GTi反射望遠鏡55242円
金額は税込みです

土星の環】が見える当ブログのおすすめ仕様【大人の望遠鏡】

  • 口径6センチ以上の屈折望遠鏡【口径はレンズの大きさです】
  • 100倍以上の倍率が出せる【望遠鏡の倍率は変更できます】
  • 頑丈な三脚と架台【高倍率は振動の影響を受けます】
  • 微動装置付き【地球の自転で起こる日周運動を追いかけます】

アトラス60は4条件を満たした望遠鏡です

みんな大好き、宇宙のロマン【土星の環】観測の満足度アップ!

望遠鏡で見たい天体をたずねると必ず「土星の環」と返ってきます。おとなも子供もみんな大好き【土星の環】です。

私も経験があります。月並みな回答だと思うのですが現実にその答えが多いのは事実です。そしてはじめて土星を見た人は必ず感動します!これも事実です。

初心者の望遠鏡で【土星の環】が見えるのか?【見えます!】

見えます。いくらでも見えます。よほど安物でポンコツでもない限り【土星の環】は見えます。目のいいひとなら20倍程度の双眼鏡でも見えると思います。

私は反射望遠鏡の26倍でなんとか見えているような気がしますが、とにかく小さいです。小さすぎて環だとは確認できませんが土星がいびつな楕円形には見えます。

65倍まで拡大すると問題なく環を確認できます。(画像は30センチのニュートン式反射望遠鏡ですが13センチで200倍くらいにするとこんな感じです。口径6センチでもよく見えますよ)

天体に向かっている対物レンズの大きさを口径○○ミリ(センチ)と表現します

土星の環が見えるいちばん小さい望遠鏡【ラプトル50:13900円税込み】

スコープテック製のラプトル50は間違いなく【土星の環】を観測できる、いちばん小さい望遠鏡です。口径50ミリの屈折望遠鏡になります。架台三脚ともにしっかりしています。【土星の環】を見るだけならこれで充分でしょう。

ラプトル50はアマゾンで月間200本以上販売されている大ヒット望遠鏡です。間違いなく土星の環を見ることはできますがちょっと小さいです。なにしろ小学生用の望遠鏡ですから。

ラプトル50は多くの天文台や科学館で天体観測イベント用の望遠鏡に採用されています

※国立天文台、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、日本天文学会などで構成される、世界天文年日本委員会より、世界天文年セレクションを受賞。

問題はすべての望遠鏡で【土星の環】が見えるわけではないことです!とくに初心者用の安い望遠鏡には【土星の環】が分離できないものがあります!

大手サイトのベストセラー望遠鏡について調べてみた!⇐ヤバイ望遠鏡にかんしての記事はこちらです

宇宙空間に浮かぶ土星!神秘的な姿を体験したい

真っ暗な宇宙空間にリングをつけて浮かんでいる土星の姿は神秘的です。環のついた星などありません。土星だけです。不思議なすがたをした星です。

自分の目で【土星の環】を見ると天体写真や電子観望とは別物です。感性を揺さぶられます。

はじめての天体観測こそ【土星の環】がおすすめ!その理由

土星と木星のような惑星と月は空に見えているときは、いつでもどこでも観測できます。都会の真ん中でも大丈夫です。窓からでも見えます。望遠鏡に土星が入れば観測できます。

天体観測の趣味をスタートするのであれば月や惑星の眼視観測がおすすめです。小さなお子さんでも見ることができます。

天体のなかでも星雲、星団、銀河は非常に暗い天体なので、月のある夜や街灯があるとなかなか見えません。そのてん土星をはじめ月、惑星はどこでも観測ができる天体です。

DSO(銀河、星雲、星団)の観測についてはこちらの記事を参照してください⇒天体望遠鏡でDSO(銀河・星雲・星団)を見る方法【天体観測のやり方】

【土星の環】を見る望遠鏡は初心者に優しい屈折式がおススメ!

これから天体観測を始める方や自分の目で天体を見る【眼視観測】を考えている方には屈折式望遠鏡をおすすめします。

望遠鏡には屈折式と反射式があります。テーマを【土星の環】を見るに絞った場合は屈折式望遠鏡にしましょう。

イラストのタイプが屈折式望遠鏡です。左側にある対物レンズで光を集め右側の接眼部から観測します。

接眼部に差し込む接眼レンズ(アイピース)を変更することで倍率を変更できます。

対物レンズ】天体に向けるがわにあるレンズです。その大きさを口径といいます。

接眼レンズ(アイピース)】イラストの右側にある接眼部に差し込みます。倍率を変更するために使います。

屈折式望遠鏡の特徴

以下の3要素が反射式望遠鏡と違い屈折式望遠鏡が初心者でも扱いやすい理由です。

  1. 土星を顔の正面にして導入できます。導入するときに直感的な操作で戸惑いません。
  2. 観測前に大気順応光軸調整もほとんど不要です。すぐ観測に入れます。
  3. 保管は湿度の少ないところに保管するだけで大丈夫です。
  4. 操作が簡単で初心者に優しい屈折望遠鏡は実際にもっともよく使われてるタイプです。

光軸調整】光が真っすぐに来るように光の軸を整える作業です。屈折式望遠鏡は必要ありません。

大気順応は室内から室外に移動した時に鏡筒内で気流が発生します。観測に支障が出て像が崩れます。屈折式は気流が起こりにく大気順応なしですぐに観測に入れます。

望遠鏡に土星を導入することは難しい

双眼鏡で土星を見つけることは簡単です。それは倍率が低いからです。望遠鏡では最低でも20倍以上の倍率になり見える範囲が狭く導入そのものが格段に難しくなります。

                  オススメ望遠鏡の説明ははこちらをクリック!

屈折式望遠鏡の最大の弱点【色収差】

屈折式望遠鏡は色収差と呼ばれるやっかいな色ずれ現象があります。

レンズを通過した光は波長によって収束する位置が変わるため像がにじみます。月や明るい星の周囲に赤や青の色が表れます。

最初は拡大された像に感動して気にならないのですが何度か見ているうちに非常に気になります。

実際、惑星や月面の周辺部や細かいところがにじんですっきり見えません。

アクロマート・アポクロマート色収差を改善するための対策方法。レンズの材質を変更したり組み合わせ枚数を増やしたり対策をします。

【F値を大きくする】F15以上にすると色収差はかなり収まりますが鏡筒が長くなり取り回しが不便になります。

アクロマートとアポクロマートの価格差は最低でも数倍になります。アポクロマートはレンズに合わせて鏡筒そのものの造りが精密になるため大幅に価格があがります。基本的に上級者仕様です。

土星観測のポイント4点【60ミリ屈折望遠鏡】

土星はできるだけ高倍率で観測したほうが良くわかります【できれば100倍以上】。観測ポイントは美しいリングだけではありません。

画像はWikipediaから引用した土星の環の傾きです。

2025年は環を真横から見るために見えなくなるときもあります。

環の厚みは100メートルもないそうです。

  1. 土星の環】の傾きを見ましょう【毎年傾斜角度は変わります。2025年以降は角度が大きくなって【土星の環】が見やすくなります】
  2. カッシーニの空隙を見る【リング面にあるスリットです。傾斜が大きくないと難しいですがラプトル60で見えるか挑戦してください。眼視能力は訓練しだいで向上します】
  3. 本体にある縞模様を見る!【非常に薄い縞なのでかなり難しいと思いますがどうでしょう】
  4. 土星の衛星を観測する【土星を周回している星が衛星です。土星の月です。最低でも2個は見えます】

2024年から2025年は【土星の環】を観測するには不利な条件ですが、環のない土星を観測する絶好の機会でもあります。15年に1回の現象です。

天体望遠鏡はひとりで天体観測するより息子さん娘さん奥様と一緒にどうですか。月のクレーター、土星の環、木星の縞模様をはじめて見た人は必ず驚き感動します。

粗悪望遠鏡で見た土星【環が分離しない楕円形の塊】

土星の環】は対物レンズの口径が5センチあれば見えるはずです。しかし光学精度が十分でないと見えません。ネットに出ている望遠鏡のランキングトップでも【土星の環】が見えないものがたくさんあります。

とくに低価格の物は残念な見え方になっていることが多いので要注意です!さらにありえないような雑な組み立てもみかけます。

解像度・分解能】細かいところを見る能力です。本来は口径によって決まります。低価格の望遠鏡は性能が犠牲になっています。

大手ECでランキングトップですがどう見ても粗悪望遠鏡があります。まず架台と三脚が弱いとまともな観測はできません。レビューのネガティブ報告で組み立てに問題のある望遠鏡は要注意です!

粗悪望遠鏡の見え方【安価な望遠鏡】

粗悪望遠鏡で土星を見ると丸い本体と環が分離していません。楕円形のいびつな星に見えます。倍率をあげて土星を大きくしても同じです。楕円の塊が大きくなって見えるだけです。シャープに見えることはありません。

こんな望遠鏡は天体観測が嫌いになります!

対象を拡大する天体望遠鏡はカメラ三脚のようなひ弱なものではフラフラで天体観測をすることができません。

望遠鏡には上限倍率があります!

粗悪望遠鏡は極端な高倍率を謳っているケースが多いです。口径をミリにして2倍が一般的な上限倍率です。60ミリ口径であれば上限は120倍くらいを目安にしてください。

高倍率を謳っている望遠鏡には粗悪品が多いので要注意です!ネットでベストセラーとか人気ナンバーワンは要注意です!口径の倍以上の倍率を謳っている望遠鏡は粗悪なものが目立ちます!

微動装置の必要性(日周運動で星が動きます)

画像はアトラス60の微動装置についているハンドルです。これを動かして微妙な移動をさせます。

高倍率で土星を見たほうが楽しいのは間違いありません。そうなると望遠鏡に微動装置がないと落ち着いて観測できません。見ていると土星が少しずつ動いているのがよくわかります。これってけっこうイラつきます。

視野の真ん中に土星を持ってくるのですが、手で動かすとぶれてしばらく観測できなくなります。微動装置があるとかなり揺れが改善できて観測に集中できます。

日周運動:太陽や月が東から西にゆっくり動きますが、すべての天体も常に動いています。望遠鏡で拡大するとゆっくりの動きも大きく拡大され見ているだけでズンズン動いて行きます。

100倍以上でする観測ルーティーンです(手動の微動装置で観測した時)

高倍率にする⇒日周運動⇒微動装置で追いかける⇒望遠鏡ぶれる⇒しばらく待ってから観測

100倍以上の高倍率で観測する望遠鏡はレンズの性能以上に振動の影響をうけにくい架台と三脚がしっかりした剛性の高いものを選びましょう。

貧弱だと使い物になりません。ホームセンターあたりに展示してある1万前後の安い望遠鏡はおすすめできません。見ただけで架台と三脚がひ弱なのがわかります。【土星の環】をしっかり見たい方は三脚と架台のしっかりした口径6センチ以上の望遠鏡です。

架台と三脚は望遠鏡の肝です!

三脚の見た目がカメラ三脚のようだと使い物にならないことが多いです。安い望遠鏡の特徴!

アウトドア、車中泊におすすめ【土星の環】を見るならラプトル60 

スコープテック社のラプトル50で土星の環は見えますが大人の望遠鏡としてはラプトル60をおススメします。対物レンズの大きさが10ミリ大きくなるだけで見え方が大きく変わります。

この望遠鏡はレンズだけじゃなくて架台もしっかりしています!

ラプトルの最高倍率は100倍以下です。微動装置がついていない望遠鏡では日周運動のため、これ以上の倍率は慣れが必要です。

ラプトル60の説明・23900円税込み【Amazonで月間50本以上販売】

スコープテック社製の子供向け望遠鏡ですが大人が使っても楽しめる性能です。大人がはじめて天体観測に挑戦するのであれば口径60ミリのラプトル60がおススメです。

光学性能はF11.7と無理のない大き目のF値とし鏡筒内は反射を抑えるつや消し塗装や遮光環をつけてすっきりした見え味にこだわっています。接眼レンズ(アイピース)を交換することで倍率を変更することができます。35倍⇒88倍

アクロマート屈折望遠鏡口径60ミリ焦点距離700ミリ(F11.7)フリーストップ経緯台
倍率35×・88×接眼レンズ径24.5ミリ接眼レンズはアメリカンサイズも可能覗き穴ファインダー
伸縮式三脚天頂ミラー付きトップマウントで架台に搭載2.5キロ

スコープテックは見え味重視の会社なので土星、木星、火星と月に関しては他社より劣ることはありません。土星の環】はもちろん、鍛えればカッシーニの空隙も見えるかもしれません。

最重要ポイント

架台はフリーストップになっており動かしたあとピタリと静止します。望遠鏡をロックする必要はありません。このクラスの望遠鏡ではもっとも堅固な造りです。【特に重要な要素です

コンパクトのうえ2.5キロと軽量です。アウトドアや車中泊にぴったりの望遠鏡です。100倍以上の高倍率にすることも可能ですが架台に微動装置がないので慣れが必要です。

観測対象は土星、木星、火星、月と明るいDSO(銀河、星雲、星団)になります。【オリオン星雲、アンドロメダ銀河】

微動装置はついていませんが88倍くらいだと手で動かして観測できます。手動で星を追いかけるのは慣れが必要ですが架台の精度が高いのでスムーズに追跡できます。とにかく使いやすい望遠鏡です。

ラプトル60は非常に完成度の高い望遠鏡です。アウトドアや車中泊にぴったりで、いつでも気軽に天体観測ができます。アマゾン、YouTubeのレビューも高評価です。

ラプトル60のまとめ
  • 最高倍率88倍で小さいですが土星の環をしっかり見ることができます
  • 堅固な三脚と架台でストレスのない観測に集中できます
  • コンパクトでいつでも持ち出すことができます
  • 接眼部はアメリカンサイズ(31.7ミリ)対応でアイピースの買い替え範囲が大きい
  • 管理は湿気に気をつけるくらいで簡単です

コンパクトの強みラプトル60【天気が良ければすぐ天体観測】

  • 晴れていればベランダでも窓からでも土星観測できます
  • コンパクトで軽量なので荷物になりませんアウトドアやキャンプの夜は天体観測してください
  • 土星の環、月面のクレーター、木星の縞模様、オリオン星雲などなどが得意
  • 大気順応は要りません望遠鏡を出したらすぐに観測できます

優秀なフリーストップの架台は土星を導入するだけで楽しくさせてくれます!ラプトル60は堅牢でスムーズな架台です。熟練者になると100倍以上でも手動追尾できます。

アトラス60の説明・38900円税込み【大人におススメ高倍率でゆっくり土星の観測】

※国立天文台、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、日本天文学会などで構成される、世界天文年日本委員会より、世界天文年セレクションを受賞。

ゆっくりじっくり【土星の環】を観測するには高倍率にしたいものです。高倍率とはここでは100倍以上のことです。

しかし架台に微動装置がないと日周運動を追いかけるのが大変です。星は常に動いています。アトラス60は口径60ミリで最高倍率133倍、微動装置付きです。

38900円とは思えない完成された架台です!

アクロマート屈折望遠鏡口径60ミリ焦点距離800ミリ(F13.3)微動装置付き経緯台
倍率40×・64×・133×接眼レンズ径24.5ミリ接眼レンズはアメリカンサイズも可能覗き穴ファインダー
伸縮式三脚天頂ミラー付きトップマウントで架台に搭載4.5キロ

鏡筒も長くなり架台の重量も増えます。機動性はなくなりますが望遠鏡の光学性能は向上しています。接眼レンズ(アイピース)を交換することで倍率を変更することができます。40倍⇒64倍⇒133倍

焦点距離を長くして倍率は133倍。F13.3とF値が長いので色収差も減少して高倍率でも気になりません。鏡筒内も反射を抑えるつや消し塗装や遮光環をつけてシャープな見え味にこだわっています。

微動装置はかなり優秀です。トップマウント式で振動が少なくスムーズに動きます。133倍に拡大した土星を正確に追尾してくれます。低倍率でも微動装置の存在は非常に有効です。

チョイ見には向きませんが落ち着いて【土星の環】を見るには最適です。カッシーニの空隙や本体の縞模様にも挑戦してください。

口径60ミリの上限倍率は120倍です。133倍のアトラス60は超えていますが土星のような明るい天体を観測するときは問題ありません。大きくした方が見やすくなります。【月、火星、木星もです】

アトラス60のまとめ
  • 133倍でじっくり土星の環を観測してください
  • 堅固で精密な架台が高倍率でもストレスのない観測を可能にしてくれます
  • 微動装置で掃天すると暗い天体も見落としません【DSO(銀河、星雲、星団)は暗いですよ探すの大変です】
  • 接眼部はアメリカンサイズ(31.7ミリ)対応でアイピースの買い替え範囲が大きい
  • 管理は湿気に気をつけるくらいで簡単です

高倍率と微動装置で本格的な天体観測アトラス60

  • 133倍の高倍率を使って詳細な土星の環、木星の縞を観測
  • 133倍で見る視界いっぱいに広がる月面のクレーターが見せる陰影の世界
  • 微動装置を使った精密な掃天でDSO(銀河、星雲、星団)を探しましょう

微動送りを使ったあと鏡筒の揺れがすぐに収まります。同じ価格帯の望遠鏡と比較して圧倒的な早さです!

ラプトルとアトラスの覗き穴ファインダーについて

画像はスコープテックのオプションのファインダーがついたアトラス60です。

この望遠鏡には照準用の光学ファインダーは付属していません。かわりに覗き穴ファインダーというものがあります。(光学ファインダーはオプションです)

月、土星、木星、火星、金星など肉眼で見える天体が観測対象の望遠鏡です。実質的に光学ファインダーはいりません。

使い勝手では覗き穴ファインダーのほうが優れています。光学ファインダーは光軸を合わせるだけでも手間がかかります。【覗き穴ファインダーは光軸合わせ不要】

光学ファインダーはDSO(銀河、星雲、星団)の導入に有効ですが実際に使用してもほとんど意味をなさないです。この望遠鏡でDSO(銀河、星雲、星団)を観測するにはかなりの熟練が必要になります。オリオン星雲以外は見つけるのに大変な時間が必要です。ファインダーで存在が確認できるDSO(銀河、星雲、星団)は無いといっても過言ではありません。

アメリカンサイズ(31.7ミリ)対応の接眼部になっています

ラプトル60とアトラス60はコストダウンのため標準付属品としては24.5ミリのツァイスサイズの接眼レンズ(アイピース)を採用しています。

現在の標準規格はアメリカンサイズ(31.7ミリ)になり品ぞろえも豊富です。将来的にアイピースの変更を考えると選択肢が広がる設計になっています

スコープテックという日本製【国内製造】にこだわったメーカー

初心者向けの屈折望遠鏡を主力にした国内メーカーです。国内製造にこだわりを持ち、レンズも架台も国産です。接眼筒の造り、鏡筒の内部塗装や遮光環の設置など初心者向けでも手抜きはありません。

特に望遠鏡の肝である架台は剛性がありライバルよりも抜きんでています。コスパ優秀です。

小学生向けのラプトル50はアマゾンで常に月間200本以上販売されています。かなりのヒット商品です。

ラプトル60のアマゾンレビューを読んでみる

2021年1月20日に日本でレビュー済み

モデル: ラプトル60(8歳~大人)Amazonで購入

全体に軽量小型であること、それと操作性が容易であり、初心者にとっては入門用としてとても素晴らしい出来である。そして何よりも利用者にとって良いことは操作が簡単で、しかも照準を付けやすいことが筆頭に挙げられる。簡便な照準用のスロットが付いており、これが非常に狙う天体にきちんと向けられることであり、初心者にとっては非常に持って来いであろうかと考える。持ち運びも、軽量小型であることから容易であり、この点も初心者に優しいつくりであるといえる。

アトラス60のアマゾンレビューを読んでみる

2024年11月11日に日本でレビュー済み

モデル: アトラス60(10歳~大人)Amazonで購入

初めて天体望遠鏡を購入したのですが、のぞき穴ファインダーが素晴らしいですね。操作がもっと難しいのかなと思っていたのですが、月でも星でもかなり簡単に見ることが出来ます。見たいものをのぞき穴ファインダーに合わせるだけ。少し前に月を見たのですがクレーターまではっきり見えて感動しました。いやぁ~本当に楽!

スコープテック社の望遠鏡に関するAmazonのレビューを分析すると明らかなサクラは少ないようです。高評価が納得できる内容のものが多く価格に対して性能は担保されていると感じます。はじめて購入する望遠鏡として高い完成度になっています。

スコープテック社はアマゾン、楽天、yahooには自社サイトで出品しています。購入後のサポートを考えるのであれば販売店経由よりも安心でしょう。

スコープテックのホームページにはラプトル、アトラスの組み立てや取り扱い動画もあります。販売後のサポートもしっかりしています。

スコープテックのホームページ

初心者用の望遠鏡は基本的には中国製です。国内メーカーブランドもほとんど中国製OEMです。スコープテックは国産のこだわり品質勝負しています。

本格的な天体写真用の望遠鏡ではありません

コンセプトは天体を自分の目で見るための望遠鏡です。そのために色収差などを極力排除してシャープなすっきりした見え味を確保しています。

スマホなどでコリメート撮影はできますが一眼レフカメラやCMOSカメラを使った本格的な天体写真には不向きです。【スマホ用のアダプターがオプションにあります】

アクロマートレンズは目に見える色収差を抑えていますデジタルカメラのCMOSセンサーは補正されていない色収差をひろい色調を乱します。

ライバル望遠鏡では満足できない!

国産メーカーのライバル望遠鏡と比較しました。池田レンズ工業にかんしてはスコープテックと同じく国産品です。

レンズも組み立ても同じ企業が請け負っています。

とはいえ発注企業の設計思想の違いを見極めましょう。

ビクセンのスペースアイ700は国産ではありません中国製です。ビクセンは国内生産は上級者向け望遠鏡のみになっています。

池田レンズ工業 レグルス60・16700円税込み

基本性能でラプトル60のライバル望遠鏡になります。

同じ口径ながら価格が1万円近く安い設定です。

光学性能は充分ですが接眼部分は24.5ミリ専用で拡張性はありません。

軽くて運びやすいのですが架台と三脚はオモチャです。

  • 焦点距離が100ミリ短いF10なので取り扱いやすいのですが見え味は不利です
  • スマホアダプターが付いています
  • 接眼レンズが3種類で倍率設定が豊富です
  • みるからに架台と三脚がひ弱で観測にストレスが出る品質です
アクロマート屈折望遠鏡口径60ミリ焦点距離600ミリ(F10)手動経緯台
倍率30×・48×・100×接眼レンズ径24.5ミリ接眼レンズはツアイス専用覗き穴ファインダー
伸縮式三脚天頂ミラー付き・スマホアダプター付きトップマウントで架台に搭載1.65キロ

池田レンズ工業 リゲルハイ60・33299円税込み

アトラス60のライバル望遠鏡です。同じ口径と仕様ながら価格が1万円近く安い設定です。光学性能は充分でしょう。

架台は水平軸のギヤがむき出しです。観測時に触るとグリスが付きます。

接眼筒が設計思想が古いツアイス24.5ミリ仕様なのが減点です。

  • F11.7でアトラスよりは光学性能では若干不利です。
  • 水平軸のむき出しギヤはダメ!それ以外は三脚も含めて非常にできの良い架台です。
  • ツアイス専用の接眼部なのでアイピースは現在の標準品は使用できません。種類が限られます。
アクロマート屈折望遠鏡口径60ミリ焦点距離700ミリ(F11.7)微動装置付き経緯台
倍率35×・56×・117×接眼レンズ径24.5ミリ接眼レンズはツアイス専用覗き穴ファインダー
伸縮式三脚天頂ミラー付き・スマホアダプター付きトップマウントで架台に搭載3.37キロ

ビクセン スペースアイ700【口径70ミリ】・21780円税込み

この望遠鏡は中国製のOEMです。過去のレビューを読むと仕上げにかなり問題があったようです。

この望遠鏡はレンズの大きさが70ミリあります。アトラス60よりも10ミリ大きいのですが金額的に考えてライバルとして紹介します。

電気店で展示品を見た感想ですが三脚、架台はグラグラで観測時のストレスが心配になります。接眼部も精度が悪く正確な光軸が出るのか心配になるほどでした。

アクロマート屈折望遠鏡口径70ミリ焦点距離700ミリ(F10)微動装置付き経緯台
倍率35×・117×接眼レンズ径24.5ミリ接眼レンズはツアイス専用光学ファインダー
伸縮式三脚天頂ミラー付きトップマウントで架台に搭載3.9キロ

ラプトル60で土星を見る!最低倍率にして捉える

まずラプトル60のピントを軽く合わせましょう。できれば日中に遠方の動かない建物や鉄塔でいちばんはっきり見えるようにしておきます。

倍率はいちばん低い35倍で合わせるようにしましょう。天頂ミラーはあらかじめつけておきましょう。

ラプトル60の架台は上下方向と水平回転の2軸が動きます。

接眼部を持って上下と水平に軽く動かしてください。動かして止めるとそこでピタリと静止します。これがフリーストップです。静止させるクランプねじはありません。

導入は単純に目標天体に望遠鏡の筒先を向けることです。35倍程度の低倍率であればファインダーを使わなくても導入できるようになります。月は導入になれる絶好の対象です。倍率は必ず最低倍率にしてください。

ピントを合わせて【土星の環】を見る!

このまま35倍でピントを正確に合わせても【土星の環】を見ることはできます。しかしこの倍率では小さいので接眼レンズをF8ミリに変更します。

素早く交換しましょう土星は常に動いています。F8ミリに交換すると88倍になります。これでかなり大きく見やすくなります。

交換するときは土星を視野の真ん中に置くようにしてください。ピントを正確に合わせます。接眼レンズによってピントの位置は変わります。

視野の真ん中で見るのがいちばんシャープに見えます

ハンドルを前後に動かしてピントを合わせるのですが、その間も土星は動いています。土星が視野の端になるとシャープな星像は出ません。常に視野の真ん中あたりに土星を置くようにしてください。

ピントはいちばんシャープに見えるところです。ハンドルを何度も前後させていちばんシャープに見えるところを探してください。

小さな球体に丸いリングが巻き付いているところがハッキリ見えます。

正確にピントが合えばハッキリと【土星の環】を見ることはできます。なんの訓練もいりません。来年以降はとくに見やすくなります。傾きが大きくなるにつれてリングとしてわかりやすくなります。ラプトル60の88倍でも大きくはないですが誰でも【土星の環】を見ることができます。

望遠鏡はすぐに揺れるものです!

ピント合わせや導入時に望遠鏡に触れると必ず揺れて観測できなくなります。大きく拡大しているためこれは防ぐことができません。落ち着くのに2~3秒はかかります。架台の弱い望遠鏡はこの揺れが激しいため、ほとんど観測できない状態になります。

カッシーニの空隙を見る【望遠鏡の性能を確認できます】

土星の環】にあるカッシーニの空隙についてです。これはリングの面上にスリットがあり内側と外側にわかれています。これをカッシーニの空隙と呼びます。

土星の傾きがおおきくなり、リング面が広く見えるようになるとスリットが見えやすくなります。

スコープテックの8センチ屈折望遠鏡アトラス80はうたい文句で見えると言い切ってます。アトラス60ではカッシーニの空隙に触れてないところを見ると、60と80のあいだに性能差があるようですね。

カッシーニの空隙は望遠鏡の性能をはかる目安になります

この会社の望遠鏡は高性能だと評判なのでアトラス80は間違いなく見えるのでしょう。

望遠鏡の光学性能を測る目安にカッシーニの空隙を使うことがよくあります。60ミリでも見えるのか挑戦してください。

眼視の識別能力は個人差が大きくアトラス60でも見えてもおかしくないと思います!

カッシーニの空隙を見るには100倍は必要です!できれば150倍は欲しいところです。迫力がでます!【土星の環】が見えたら次はカッシーニの空隙が必ず見たくなります!

口径8センチ屈折望遠鏡にかんする詳細説明はこちらを参照してください【ここからは大人が使う眼視観測用望遠鏡の2強徹底比較!

土星の本体にある縞模様について

口径13センチの反射望遠鏡で65倍だとリングだけでなく本体にある、うすい縞目もわかります。この縞は非常に薄く、なんとなく丸い本体に暗い模様が横に走っているなといった感じにしか見えません。

口径13センチの65倍では明るすぎて濃淡がわかりづらいからです。倍率をあげると明るさがおさまり表面が観察しやすくなります。

それでも30センチ450倍にしても、縞模様が筋になって見えることはありません。

木星のように細い筋状に走っている様には見えません。あくまでも本体にあるグラデーションです。

ちなみに口径13センチで150~200倍くらいで土星を見ると落ち着いた感じになり表面の諧調の変化もわかりやすくなります。【このくらいの倍率になると自動追尾がないとゆっくりと観測することはできません】

土星の環】を観測的に見るには100倍以上がおすすめです。本体の縞模様は80ミリ屈折では微妙です。性能がよければ見えるかもしれません。口径60ミリでもわかるのか挑戦してください。

スカイウォッチャーMAK127AZ-Go2望遠鏡【評判の高性能望遠鏡】⇐眼視観測で一番おススメはこの望遠鏡です

土星を見つける【星座アプリをダウンロード】

画像は国立天文台【今日のほしぞら】の11月3日20時をコピーしています。土星はすでの南中しています。南の空には1等星のフォーマルハウトがあります。高度のかなり低い位置にある1等星です。1等星はこれしかないのですぐにわかります。

フォーマルハウトから少し東のほうを見て高い位置にある、いちばん明るい星が土星です。フォーマルハウトが南中時には、ほぼ真上の位置に来ています。

特別目立つ明るさではありませんが土星はかなり明るく、周りに明るい星はないのですぐにわかります。

現在の土星が属しているエリアには1等星はありません。いちばん高く昇った状態(南中)でも地平と天頂の真ん中より少し下の位置にあります。

土星は1等星で明るい星ですが鈍い光です。木星のようなギラギラした存在感がある輝きではありません。

2025年・土星観測の季節【位置が少しづつ変わります】

すべての天体は季節によって観測ができるシーズンがあります。日没から夜中の0時ごろまでの間に土星が見えているのは2025年では9月から翌年の1月頃までです。

惑星は太陽の周りを公転しており少しずつ位置が変わります。観測できる時間帯もずれていきます。1年のうち2か月くらいは地球から見て太陽の近くにあるため観測できない日があります。

土星を見つけるには星座アプリをダウンロードしてください。だいたいの場所が分かれば明るく目立つ星ですからすぐにわかります。

土星の観測シーズン 2025年は夏から秋

土星に限らない話ですが高倍率を使っての観測にはシーズンがあります。基本的には月や惑星に高倍率を使います。100倍以上は高倍率と思ってください。

冬の間は大気の状態が悪くなり観測できない日が多いです。「シーイングが悪い」と表現したりします。快晴でも望遠鏡では像がグラグラ揺れて観測がしずらくなる現象です。

想像以上の悪い見え方ですよ!

上空にジェット気流が流れ込んでくるせいです。11月の終盤ぐらいから3月くらいまでは本当に観測ができる日が少なくなります。低倍率はそれほど影響うけません。高倍率では見ていると気分が悪くなるレベルです。

快晴の日が多いので電子観望でDSO(銀河、星雲、星団)を狙う分にはあまり影響はありません。惑星は春から夏が高倍率での観測シーズンになります。土星は現在(2024年)の位置だと夏の夜中がシーズンです。

シーイングが悪くても【土星の環】の確認ぐらいはできます。じっくり大気が落ち着くのを待っているとシャープに見えるときもあります。

土星の出没時間 2024年9月~2024年2月【観測地東京都】

地平線から出てきても1時間以上あとでないと観測はできません。地平線の近くでは大気の影響で惑星の像が乱れます。

月日出時間南中時間入時間
9月1日18時29分0時13分5時55分
10月1日16時25分22時03分3時46分
11月1日14時20分19時56分1時37分
12月1日12時21分17時58分23時35分
1月1日10時24分16時2分21時42分
2月1日8時29分14時8分19時54分

夕方からはじめて0時には観測を終了するとして2024年の土星観測のシーズンは8月~11月です。

太陽を廻っている土星は、出没時間が少しずつ遅れていきます。ちなみに2025年4月1日の出時間は午前5時2分になります。

土星が出てきても1時間以上してからでないと大気の影響で観測できません。2024年の土星は環を真横から見るため串団子のように見えます。今現在そんな感じで見えています!これからどんどん開いて環が見えやすくなります。

天体が地平線に近づくと大気の影響で像が悪化します。土星の観測シーズンは12月いっぱいくらいが目途になります。1月以降でも観測することは可能ですがしっかりと土星の環が観測できる日は少なくなります。

2月になると太陽に接近するため観測ができなくなります。5月以降に日の出前に観測できるようになってきますがしばらくお別れです。

【天体には観測シーズンがあります】すべての天体は地球を1年かけて移動しているように見えます。太陽に近づいているときは観測することはできません。

【土星の環】が見えなくなる!【15年に一度、土星の環が消失】

土星の環】は傾きがないと見えにくいものです。2024年は傾きが小さくて真横から見ている状態に近くなっています。環の厚みは1キロもないため真横になるとほとんど見えなくなります。

CDを真横から見た感じです

2025年が真横になる年で現在も傾斜角が小さいため環の見え方は良くありません。しばらくは土星の見栄えは良くないと思います。それでも環のない土星を見られるのは15年に1回のことなので貴重ではありますよ。

2024年の土星は傾きが少ないために【土星の環】はリングとしては見えません。丸い本体を串刺しにした串団子のような形に見えます。

土星だけでは満足できないラプトル60・アトラス60の可能性

口径60ミリの望遠鏡で観測できる天体は土星の環だけではありません。ほかにもたくさん観測できる天体があります。

月のクレーターを見る【天体観測のスタート】

月はいちばん簡単に見える天体です。ラプトル60の最低倍率35倍でも月面にあるクレーターを確認できます。

クレーターから出る放射状の白い筋もよくわかります。倍率をあげると荒涼とした陰影の世界をはっきりと見ることができます。

満月は光が正面から当たっているためクレーターの影が見えません。月が欠けているときに光と影の境目を見るようにしてください。

木星をラプトル60で観測する【表面の縞が見えます】

ガリレオ衛星は4個しっかり見えます。毎日、位置が変わるのですぐにわかります。

木星の表面には雲でできた太い筋が何本もあります。2本は見えるでしょう。

雲のうねりはどうかな見えるかな・・・大赤斑という赤っぽい丸い模様は条件次第です。

ここ最近縮小しているので難しいかもしれませんが挑戦してください。

とても見かけの大きい惑星です。小さな望遠鏡でも表面の観察ができます。見つけるのも簡単なので土星以上に楽しめる惑星です。2月くらいまで観測できます。

火星は2年に一回の接近した時に観測しましょう。2025年接近

2025年1月に接近します。かなり小さくてラプトル60の高倍率88倍では力不足ですが表面にくすんだ黒い模様があるのはわかります。

極冠が白く輝いているのもよくわかります。

模様の形を認めるのはしんどいと思いますが、赤い表面にわかりやすく黒っぽい模様が見えます。

ときには砂嵐でまったく模様が見えなくなるなど変化に富んでいます。

金星を観測できるのは日没後か日の出前です。

内惑星なので天頂高く金星を観測することはできません。

つねに太陽の近くにあるので日没後か日の出前のわずかな時間だけです。

三日月になったり半月になったり形の変化を観測します。表面の模様までは無理です。

DSO(銀河、星雲、星団)の観測はできなくはない

ラプトル60とアトラス60は架台の剛性がしっかりしているので天体を探すにはとてもいい望遠鏡です。

オリオン星雲は見つけやすく、しかもよく見えます。さすがに冬の王者です。

観測対象はたくさんありますが眼視観測で見つけるのは努力と根性です。しかも暗いため見つけても良く見えません。観測地も街中では難しく街灯のない暗い空が必要です。

天体を探すときに剛性の高いスコープテックの架台がありがたいです!

これは望遠鏡の大きさはあまり関係ありません。天体写真のように見えるDSO(銀河、星雲、星団)はひとつもありません。

DSO(銀河、星雲、星団)に興味がある方は電子観望しましょう。すごく見えますよ。

DSO(銀河、星雲、星団)に関しては見つけるのが難しいという話です。さらに天体写真のように見えるわけではありません。しかしぼんやりと滲むように見える姿を見つけ出すのも楽しい観測でしょう。メシエ天体といえるものが約100個ありますが口径6センチあれば見えます。頑張って見つけて達成感を味わってください。

あえておススメDSO(銀河、星雲、星団)をあげておきます。頑張って観測しましょう。

オリオン星雲M42羽を広げた鳥か蝶の姿がわかります
アンドロメダ銀河M31ぼんやり半透明に光る玉、かなり大きいです
ヘラクレス座大球状星団M13球状に光り中心から周辺に光が薄くなって広がります
いて座大球状星団M22球状に光り中心から周辺に光が薄くなって広がります
おおくま座ボーデの銀河M81ぼんやりと光り視野内には細長いM82も一緒に見えます
りょうけん座親子銀河M51かなり中心の光ははっきりしており伴銀河と並んで見えます
こぎつね座亜鈴状星雲M27薄くひかる星雲ですが高倍率にしてもよく見えます
こと座リング星雲M57小さいですが大きく拡大するとドーナツがわかります

※自分で導入できたらプロです。尊敬します。私はこのうち4個しかまだ自力導入できてません。自力で導入できたら達成感が半端じゃないと思います。ガンバレ~

             DSO(銀河、星雲、星団)の眼視観測に関する記事はこちらです

【まとめ】望遠鏡の性能と眼視能力について

望遠鏡は口径によって分解能が決まります。どこまで細かいものが認識できるかの能力です。しかし実際の見え方については個人差がけっこう出ます。慣れると眼視での細かい識別能力があがります。

口径60ミリではカッシーニの空隙や本体の薄い縞は簡単ではありません。しかし見えるようになるかもしれません。

スコープテックの望遠鏡はレンズだけでなく架台や三脚を含めた総合性能が高いので挑戦するのも面白いですよ。

土星の環】を観測するおすすめ仕様【大人の望遠鏡】

  • 6センチ以上の屈折望遠鏡
  • 100倍以上の倍率で見る
  • 頑丈な三脚と架台【高倍率は振動の影響を受けます】
  • 微動装置付き【日周運動を追いかける】

次の記事はいろいろな種類の天体から考えた望遠鏡を選ぶための記事です

口径8センチ屈折望遠鏡にかんする詳細説明はこちらを参照してください【ここからは大人が使う眼視観測用望遠鏡の2強徹底比較!